オーストラリア通信-豪州株式投資を通して見える豪州よもやま話-

第7回 オーストラリア有名株式投資トレーダーRene Rivkinの自殺

今回はオーストラリアの有名株式トレーダーについてのお話しです。

皆さんは映画『ウォール街』(オリヴァー・ストーン監督)をご覧になったことがありますか。 アンビシャスな若き証券マン(チャーリー・シーン)がカリスマ的魅力をもつ投資家(マイケル・ダグラス)に取り入ることで、みるみるうちに夢の生活を手に入れるのですが、最後はマイケル・ダグラスの悪どく汚い稼ぎ方にやがて疑問を抱き始め、告発するとうストーリーです。また、投資家ゲッコー役のM・ダグラスはアカデミー賞主演男優賞を受賞しましたよね。私の大好きな映画です。

このゲッコーのイメージがぴったりのロシア系カリスマ的株式トレーダーが、昨日、シドニーのマンションで自殺したのです。享年61歳でした。Rene Rivkin(レネ・リフキン)の生涯はまさに”ジェットコースター人生”といわれるほど波乱万丈でした。レネは幼い頃、ロシア人の両親と兄と共にロシアから中国に亡命、その後1950年頃オーストラリアに渡ったといわれています。全くのゼロから株式投資を通じて億万長者になりました。いつも葉巻をくわえ、ウォーターフロントの豪邸に住み、豪華クルーザー、豪華自家用車、芸能人の友人、スイスのプラーベートバンクの口座など、オーストラリアドリームを象徴する存在でした。

1969年にパートナーシップで証券会社を創立、順調なスタートでした。 しかし、30歳の時に実兄が麻薬中毒で死亡、この時レネはひどい鬱病になったそうです。その後、大きな好機もやってきました。1984年、HSBCとの合資で大きなファンド会社を創立、レネの名は投資家の間で有名になりました。米投資家ジョージ・ソロスみたいな感じです。

しかし、1988年の株価大暴落で、ファンド会社から追放されてします。この後は、また新しいパートナーを見つけファンド会社を作るのですが、この会社が火災保険金詐欺などで財務省から監査を受けることになりました。この時も鬱病になり、自殺未遂もしています。

2001年には、映画『ウォール街』のマイケルダグラスを想像させるような出来事が起こったのです。インサーダー取引です。当時、カンタス航空が格安航空料金のマーケティングで有名なインパルス航空を買収しようとしていました。レネはこの情報を航空関係者から事前に聞いていてカンタス航空株の買占めを行い、ニュースがでた時に高値で売却、巨万の利益を手に入れました。

スイス銀行の隠し口座からはカンタス航空の役員、インパルス航空の元役員の名前がでてきました。2003年にはレネはインサイダー取引容疑で逮捕、実刑9ヶ月、罰金30000ドルの判決が下されました。罰金がこんなに軽いのはなぜ?と思うのですが、あまり法律は詳しくないのでよくわかりません。日本はどうなのでしょうか。教えてください。

そして2005年4月、薬物による自殺でした。レネのオフィスの壁には『ウォール街』のマイケルダグラスのポスターが貼られていて"Greed is Good"(欲張りなことは良いことだ)とタイトルに書かれていたのがとても印象的でした。

今日のニュースでは財務大臣や市場関係者がレネのオーストラリア株式市場での貢献度を高く評価しカリスマ的株式トレーダーの早すぎた死を惜しんでいます。

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