オーストラリア通信-豪州株式投資を通して見える豪州よもやま話-

第14回 オーストラリア最大規模のサイクロン(熱帯暴風雨) 「ラリー」の上陸

クイーンズランド州で過去最大規模のサイクロン(熱帯性低気圧)・ラリーが3月20日朝、ケアンズ南部にあるイニスフェイルの海岸沿いを襲いました。建物の屋根が飛ばされるなど大きな被害が出ました。海岸部の住民数千人が避難し、約30人が軽傷を負いましたが、死亡者は報告されていません。サイクロン・ラリーが同海岸沿いに接近したときの最大瞬間風速時速は290キロで、オーストラリア最大規模のレベル5に分類されています。

凄まじい豪風と豪雨でイニスフェイル地域を襲ったサイクロン・ラリーは、町に大きな爪あとを残しました。イニスフェイル地域の約半数、北部にあるバビンダの80%の建物が被害を受けた様子です。保険会社では、イニスフェイルとケアンズ周辺の200世帯から、家屋、自動車、商売に関する保険請求の報告を受けているそうです。

22日、サイクロンラリーの被害を視察したハワード豪首相は、被害者への何百億ドルにも及ぶ資金援助計画を発表しました。現在までで、同サイクロンによる被害総額は10億ドルに及ぶといわれています。

インタビューで同首相は、「我々は被害者の人々が早く立ち直れるように心から願っている。今こそオーストラリア国民のチーム精神を見せる時だ。これは自然災害であって、オーストラリア国民全体が被害を受けたと考えるべき。被害地域住民への資金援助は政府の財政に大きな負担となるが、政府の財政状態が黒字の今ならば援助資金を出すことが可能だ。」と述べました。

同援助計画の中には、被害を受けた中小企業への1万ドルの援助金や、被害を受けた農家や小企業に対する6ヶ月間の失業手当などが含まれているようです。

サイクロンラリーの襲撃以来約1週間が経った26日、家屋や建物の瓦礫に囲まれ、絶望感の中必死に復旧活動に従事してきた住人ら約350名が、助かった自分たちの命に感謝の気持ちを表すため、地方会議所に集まりました。 QLD州最大規模のサイクロンの襲撃にも関わらず、幸い同災害での死者や重度の負傷者は出ておらず、参加者は残された命に感謝しました。また、サイクロン襲撃後、復旧活動のために被災地を訪れているボランティアや救援団体に対しても感謝の意を表しました。ネイル・クラークジョンストーンシャイアー市長は、「サイクロンは町を荒廃させたが、我々はそれに屈しなかった」と語りました。

27日には修理工や災害対応専門家が派遣され、復旧活動がさらに強化される予定。また、ダーリング・ダウンズ更正施設からは、16名の囚人が派遣され、電気や配管工事などの技術面の復旧活動が実施されます。月末までにほとんどの電気が復旧されるとのことです。

多くのTV局でも募金の呼びかけや特集番組など放映し、オーストラリアで、今、最も注目されているニュースとなっています。

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