欧州で快進撃を続ける日本企業の秘られた努力

第2回 英国ホンダ(2)〜欧州で快進撃を続ける日本企業の秘められた努力〜

ホンダ保険事業の目的

ホンダ保険事業の目的は2点ある。第一は二輪車の販売量を増加させマーケットシェアを拡大すること。第二は競合他社に比べて優位性を持つことにより差別化をはかること。しかしホンダは保険に関しては全くの素人であるため、この二つの目的を短期間に達成するためには専門家とパートナーシップを組むことが必要と判断した。

保険事業立上げの経緯

彼は先ず多くの保険会社や保険ブローカーに接触し、パートナーシップを打診してみた。しかし保険会社の多くは全く興味を示さなかった。なぜなら彼らは二輪車の保険のみならず様々な種類の保険を扱っており、二輪車保険は他の保険商品に比べ事故率が高いので、ホンダの自動車保険なら興味はあるが、二輪車はやりたくないという。


▲ 営業部長
マシュー・ストーン氏

しかし自分がパートナーを探して保険会社やブローカーと接触していることを聞きつけて、あるブローカーが尋ねてきた。そのブローカーは二輪車保険に充分な経験がありしかも豊富なデータも持っていた。そのブローカーはホンダのために素早く最適の保険を見つけ出し提供すると約束してくれた。保険は時間が重要である。保険の市場価格は毎日変化している。月曜日に最良の価格であったものがそのまま金曜日もそうであるとは限らない。

また保険は必ずしもより多く販売することだけが良いとは限らない。二輪車販売の場合は1000台の目標を設定して、1100台売れたら良い結果といえる。しかし保険のアンダーライターが1000枚の保険商品を販売する予定であったところ1100枚売れたら悪い結果と受取ることもある。つまり彼の総合的なリスク・ポートフォリオが計画した値を超えてしまうからである。こうした発想はホンダのようなメーカーの社員には欠けていたものであった。

「このブローカーと組むことにより我々が学んだものは大きかった」とマシューは言う。

著者:戸田 洋正
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