欧州で快進撃を続ける日本企業の秘られた努力

第4回 英国ホンダ(4)〜欧州で快進撃を続ける日本企業の秘められた努力〜

保険事業の成果


▲ 営業部長
マシュー・ストーン氏

この保険事業は昨年(2004年)2月にスタートしたが、9月までの8ヶ月間で約10,000件の保険を売った。英国では保険に入らないと運転することは許されないが、一方保険は民間保険会社が行っているので、リスクの高いユーザーは保険会社が引受けを拒否する場合もある。「我々の目的は最も価格競争力のある保険を消費者に提供することである。しかし若年者が非常にパワフルな二輪車の購入を希望する場合など、しばしばどの保険会社も見積もりを出さない場合もある。そのようなケースは他社にとっても同様であろう。したがってホンダ・インシュアランスではそのようなケースは、たとえ保険料が極めて高くても保険会社から必ず見積もりを出させるようブローカーに交渉させている。」とマシューは話す。

また常に保険料が充分に競争力のある低価格であり続けるために、100件のうち75件は市場で最低価格となるようブローカーに条件を課している。それを検証するためにブローカーとは別にホンダが直接にインターネット等でサンプル調査し、あるいは顧客の中からモニターになってもらいウォッチしている。若しブローカーがこの条件を維持できなければホンダはブローカーに対しいつでも契約を破棄できることになっている。

さらに低価格の保険料を維持するために、代替の二輪車が必要な場合はディーラーを通さずホンダから直接クレーム・エージェントにその二輪車が渡される。これによりクレーム・エージェントはコストを削減でき、ひいては保険コストを引き下げられる。ホンダにとってはどちらにデリバリーするのもさほど差は無い。

こうした努力は二つのことをホンダにもたらした。一つは低価格保険を消費者に提供できたこと。もう一つは全員が保険コスト削減のためにあらゆる工程を見直すことにより保険コストの仕組みが分かってきたこと。

保険事業により10,000件の保険を販売したが、それに伴う二輪車の販売は全てが新車というわけではない。中古車もあるので仮に半分が新車だとしても5,000台は新車売上げに貢献したことになる。ホンダは年に約30,000台販売しているので、その貢献度は16%と大きい。

著者:戸田 洋正
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