金融spotインタビュー 注目の女性Shi・te・n(視点/支店)

第5回 「女性スタッフ8人が創る『入りやすく相談しやすい』銀行窓口」七十七銀行 エアリ相談プラザ 所長 笹原京子さん
聞き手:リッキービジネスソリューション(株) 村田 智浩
七十七銀行は、宮城県名取市の大規模複合商業施設「ダイヤモンドシティ・エアリ」に女性スタッフだけのインストアブランチ(店舗内店舗)を開設しました。年金や預り資産の運用、各種ローンなどの相談業務が中心です。
店内は、これまでの銀行窓口のイメージを変える、女性ならではのアイデアや手作り感にあふれています。
笹原所長に、女性客や家族連れが気軽に立ち寄れるお店にするために工夫した点や、開店準備の苦労などについてお話をお伺いしました。

▲ エアリ相談プラザ
  所長 笹原京子さん
村田
七十七銀行初のインストアブランチ、初の女性のみの店舗と初づくしということですが、開店準備でのご苦労などがありましたらお聞かせください。
笹原さん
当行初の店舗形態であり、誰も経験がなかったものですから、私たち女性スタッフも本部スタッフも手探り状態でスタートしました。通常は新店舗を開設する時には、開設準備室を立ち上げるのですが、今回は準備室を設置せず、本部の所管部署に席を置きながらの開設準備となりました。
本部スタッフに色々教えていただきながら一緒に準備したのですが、私たちにとっては、開設準備もインストアブランチも店舗の企画はすべてが初めての経験であり、何をいつまでどのようにといったことが全然分からず大変でした。
女性3名で右往左往しながら立ち上げたという感じですが、こうして出来上がった店舗をみて、女性ならではのアイデアは十分に出すことができたと感じています。
村田
当初着任された3名の方は、立ち上げメンバー業務に立候補などをされたのですか?
笹原さん
いいえ、私たち3人ともそれぞれ得意分野があって選ばれてきたと思いますが、正直想定外の異動でした。ただ、この3人は三者三様の個性や異なる経験、得意分野を持っていたので良かったと思います。
村田
笹原所長はこれまでどんな業務をご経験されていらっしゃったのでしょうか。
笹原さん
私は、職員、職位者時代を通して店頭窓口分野を担当してきました。職位者になってからは、部下はほとんど女性でしたから、今回女性だけの店舗の所長となりましたが、違和感というか、意外な感じはそれほどありませんでした。
現在、8名のメンバーが勤務していますが、ローンに強い者と資産運用に強い者で、ほぼ半分に分かれています。これからの課題は、いつ、どのようなお客様がいらっしゃった場合であっても、ローン・資産運用の分け隔てなく質の高いサービスを提供できるよう、行員のレベルアップを図ることだと思います。
村田
実際に業務が始まり、設立準備での想定と異なっていたことなどはありますか?
笹原さん
インストアブランチとはいえ、それ程お客様が来店されないのではないかと心配していました。ところが開店した当初から大勢のお客様に来店いただきまして、お蔭様で相談件数もかなり多くなっています。もしかしたら全然お客様が来ないのではないか、特にローンのご相談は全くいらっしゃらないのではないかと本当に心配していましたが、遅い時間まで相談にご来店いただき、私自身驚くとともに、感激しています。
遅い時間に相談にいらっしゃる方は、当店が夜10時まで開いていることを来店理由に挙げています。お客様のニーズがあるということですね。また、買い物に来てATMをご利用された際に私たちのサービスに興味を持っていただき、次は相談のためにご来店なさるお客様もいらっしゃるようです。
当初、相談内容としては資産運用と消費者ローンの相談が半々と見込んでいたのですが結構ローンのご相談が多いですね。
村田
こちらの相談プラザで受け付けた住宅ローンの申込や預り資産の購入注文は、その後どのような事務手続きを行うのでしょうか。
笹原さん
口座開設から約定、決裁まで事務手続きを含めて、すべて行います。事務スペースとしてバックヤードも持っています。
また、普通の営業店と異なり来店客のピークも様々です。朝から混み合うこともありますし、比較的空いている時間帯としてはお昼時の12時から2時まで、夕方の6時から7時頃です。ATMコーナーも同様です。
村田
銀行の普通の支店の混み具合と全然違いますね。
笹原さん
そうですね。普通の店舗でしたら、給料日であるとか五・十日であるとか予想が付きますが。開店してまだ2週間になりませんから、まだお客様の流れは分からないですね。
このショッピングモールは、今月18日に開通する仙台駅と仙台空港を結ぶ「仙台空港アクセス鉄道」と新駅で結ばれており、新線開通によりまた状況も変わってくるでしょうね。
 取材日(3月7日)時点では未開通)
村田
こちらの店舗は、白が基調となっていてとても綺麗なつくりですが、内装やデザインにも女性のならではの意見が反映されていらっしゃるのでしょうか。
笹原さん
基本的な設計は本部で行いましたが、色合いや机等の備品など、随所に私たち女性スタッフの意見も採り上げられています。制服も同様です。また、入口にセミナーの案内看板を置いていますが、これも工夫しました。印刷ではなくすべて手書きにすることにより、お客様に見ていただいた印象がいいかなと。ウインドウショッピングの途中で、手書きで書かれている看板があると思わず立ち止まることがありますよね。逆に綺麗な印刷看板だと見過ごしたりしますよね。 下手とか上手いとかではなく、心をこめて手書きにしました。
デザインではありませんが、ここエアリ相談プラザではモールの他のショップ同様、行員がロビー内で立ってお客様をお待ちしています。通路を歩いているお客様にこちらからお声をお掛けしたり、チラシをお渡ししたりしています。従来の店舗では、カウンターがあってカウンター越しに銀行員が待機しているわけですが、ここはカウンターもありません。入りやすく、相談しやすいお店作りを心がけています。

▲ 七十七銀行 エアリ相談プラザ店頭
村田
「入りやすくて相談しやすい」はこちらのキャッチフレーズなんですね。
笹原さん
はい、そうです。相談プラザではミニセミナーも開催しておりますが、お客様にはお茶を飲みながら、自宅でお話をしているような感じで聞いていただければ、と考えています。 1回のセミナーに参加されるお客様は1回に4、5人程度を予定しています。どうしても大人数になると聞きたいことも聞けなかったりとかしますよね。お友達と買い物ついでに、ちょっとお茶を飲みながら、そんなアットホームな雰囲気を作りたいですね。
こちらからの一方的な話だけではなく、お客様と会話を楽しめるセミナーを目指しています。
村田
これまでの銀行のイメージとは随分異なりますね。
笹原さん
そうですね。今までの銀行というのはお客様と銀行員の間にはカウンターがあるわけですが、こちらの相談プラザは開放的なデザインになっておりますし、常に店舗の前ではチラシ配りやお声がけを行っています。また、通路に面して大型ビジョンを設置して、当行の商品等をアピールしています。どちらかというと、「店舗に来ていただく」というより「店舗から情報を発信する」イメージです。
村田
この相談プラザをどのように育てていかれるのか、また、笹原所長ご自身のキャリアプランなどについてお聞かせください。
笹原さん
ご来店頂いたお客様にご満足いただけることが重要です。お客様と一緒に考え、お客様の夢の実現のお手伝いが出来るような、そんな店にしたいです。
今後ますます女性の活躍が期待できますし、その分野に係わりたく考えています。この相談プラザを成功させることは、行内での女性のモチベーションを高めることに繋がりますし、責任とやりがいを感じています。

▲ 七十七銀行 エアリ相談プラザの女性スタッフの方々
2007/03/07 取材)|(2007/05/14 掲載)
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