新製品の販売開始当初は、価格弾力性が高く、導入期の価格が製品イメージに結びつきやすく、また、固定費たる開発コストの価格への配賦など、企業の戦力性と直結します。通常は、当初の単位原価は高いため全部原価を基に価格決定をすれば、顧客が拒否するでしょう。つまり、長期的な企業戦略のほか、当該新製品の市場における差別化の程度によって、多様な形態となる可能性があるのです。
成長期には、競争企業の市場進出が多くなり、市価が確立されるため、価格決定に関する企業の自由度は低下します。この時期では、目標利益の確保のために必要な売上高をもたらす価格決定が重要となり、※1.CVP分析への期待が高くなります。
成熟期になると、企業間の品質の差異は低くなるため、顧客は価格に左右されるようになります。そのため、この時期は可能な限りの原価低減を図り、競争企業よりも低価格を実現することが重要となるのです。
衰退期においては、設備、開発費の償却が完了しているため、最低補償価格が確保されることから、直接原価の確保が重要になります。そうなると、当該製品については生産量の決定が意思決定問題の中心となるとともに、次の設備に関する投資意思決定が重視されるようになります。
今日においては、FA化がかなり進み、また※2.CIM化された結果、能率管理のための原価情報の必要性は減少しました。他方、顧客ニーズの多様化と製品ライフサイクルの短縮化が進んでいます。これに対応するためには、絶えず新製品を開発することが重要であり、原価管理上、製品の開発からアフターサービスまでに発生するすべての原価に注意を払わなければなりません。今後さらに、競争が熾烈になり、製品価格が急落していくので、その環境下でも利益を出せるように原価を絶えず引き下げなければなりません。
したがって、企業は顧客ニーズの変化に敏感に反応し、顧客ニーズの多様化に対応できる新商品の開発、そして、絶えず原価を削減しコントロールして、顧客満足度の向上に努めていくことが今後の価格決定における課題であるといえます。



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