特殊業界の解説

病院・医院

医療業界

医療という行為も経営学的視点で見れば、一種の「サ−ビス業」です。しかしながら、国民の基本的な生命に関わる医療行為には、一般的なサービス業とは異なる仕組みや規制が存在しています。

医療業におけるその特色は、

  • 需要の発生の予測が困難であること
  • 供給の緊急性(交渉の余地がない場合が多い)
  • 需要と供給側における情報の非対称性(患者は殆どの場合医学的知識がない)
等が挙げられます。このようなことからも、供給側が圧倒的に有利な医療行為を市場原理に任せるのは適切ではないとされ、患者の権利を保護するためある程度の規制もやむをえないということになっています。

(1)国民皆保険制度と診療報酬制度

我が国の医療制度は、すべての国民が公的な医療保険制度に加入し、いつでも必要な医療を原則どこの医療機関でも受けることができる、国民皆保険制度を採用しています。また、医療機関は保険者とその家族によって納められた保険料と国民からの税金、そして患者本人の自己負担金を収入源としています。診察、検査、手術、投薬等の医療行為1つ1つに、細かく点数(1点=10円)が決められている診療報酬制度によって、医療サービスの対価がきまります。個々の医療機関で価格設定をすることはできません。

(2)医療業界に規制

医療経営に関しては、社会性の観点から医療法によって規制が加えられています。医療は営利を目的とする経営が禁止されており、会社組織による経営が認められてません。但し、資金調達の容易性や医療機関の経営の永続性を保持するため医療法人の設立は認められています。 設立要件は

  • 利益分配利益分配の禁止
  • 理事長は原則医師又は歯科医師
  • 法人業務に必要な資産を有する(自己資本比率20%以上)
  • 原則として病院会計準則により合計処理をする
  • 債権者のみに経営情報の開示義務
  • 本来始業に支障のない範囲での附帯業務可能
  • ある要件を満たす特別医療法人については一定の収益業務可能
したがって、一般企業のような定款での包括的な業務範囲規定は不可能です。さら広告にも規制がかけられており、患者自身が病院を選択できるような客観的な指標の開示等が必要とされていますが、まだ緩和されておりません。最近の規制改革会議等の議論では、今後的には緩和の方向に向かっています。

病院・医院の法的分類

各施設の医療法上の規定は次の通りです。

病院

20床以上の患者収容施設を有し、病床数に応じた看護職員と医師の配置が義務付けられている。

診療所

19床以下、48時間以下の収容限度があり、病床を持たない無償診療所と病床を有する有償診療所がある。

特定機能病院

構成労働大臣の承認を得て、高度な医療の提供・開発・評価が行え、500床以上の収容施設がある。

地域医療支援病院

地域における医療の確保のために必要な支援(設備。人員の共同利用、救急医療、研修等の体制)を行う施設で、都道府県知事の承認を得ている200床以上の収容施設がある。

業界動向

高齢化社会の到来により医療費の伸びが著しいものとなっています。

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