金融
銀行業界
銀行業界は不良債権処理に伴う損失が大幅に減り、株高で保有株も含み益に転じ、業績はV字回復。大手7グループの不良債権残高は2003年9月末で合計約17.5兆円、比率は6.5%まで低下、金融庁が求める2005年3月時点での比率4%台が視野に入り、不良債権問題の解消も時間の問題と思われる。一方、貸出残高は減少しており、法人向け融資に代わる新たな柱として、各行個人向けサービスの強化やコンサルティング業務強化を打ち出しているが、住宅ローン分野は激しい競争で各種キャンペーンの恒常化や変動金利型商品の金利上昇リスクも内在している。有力銀行では12月から銀行にも解禁される証券仲介業務をどう取り込んでいけるか、といったことが今後の課題となる。また、地方銀行では、ペイオフ解禁を睨んだもう一段の統廃合やメガバンクの更なる統合による系列関係の見直しも見込まれる。
メガバンクUFJ銀行の去就が最大の懸案事項。不良債権処理は一段落。各行とも、24時間営業や休日営業、小型店戦略を打ち出す。法人融資は伸び悩む中、シンジケートローンや各種デリバティブによる収益で補う収益構造。
地方銀行足利銀行の一次国有化後、株価や国内景気の安定から、小康状態であるが、05年4月のペイオフ全面解禁前に更なる再編が行われる可能性は高い。
その他銀行新生、あおぞら、東京スター銀行等の外資系株主銀行は、総合銀行型からブティック型の銀行を標榜し、収益性も高い。また、日本振興銀行、新銀行東京(05年認可予定)等中堅・中小企業向けのアンダーミドルマーケット市場への新規参入行も加わり、顧客からみると、メガバンクの統合により選択の幅が減ったものの、新しい選択も可能になってきている。
生命保険業界
生命保険は従来、死亡した場合に高額の保証金が得られる死亡保障がメインとなっていたが、近年は介護保証や医療保障などにその主力商品が変わってきている。国内生保は景気低迷による家計出費の削減やこれまでの貯蓄型から掛け捨て型への変更、個人保険の解約により、保険料収入・保有契約高の減少が続くと見られる。また、運用実績が予定利率を下回る状況は依然として変わらず、業績の大幅な回復は期待できない。
トピックス保険業法の改定予定利率の破綻前引き下げが可能に変更となったが、実際にこの法律を適用して、予定利率引き下げを行うかどうかについては業界全体としては慎重である。
業界順位1位:日本生命、2位:第一生命、3位:明治安田生命、4位:住友生命
また、従来の女性外務員中心の営業ではなく、代理店型や、総合コンサル型営業のアメリカンファミリー、アリコ、プルデンシャル等の外資系生命保険会社の躍進が引き続き目立っている。
損害保険業界
損害保険業界損害保険業界は1999年に15社あった主要損保は、2004年現在9社(グループ)に集約されている。東京海上火災と損害保険ジャパン、三井住友海上火災、あいおい損害保険、日本興亜損害保険、に日動火災海上、ニッセイ同和、富士火災海上、共栄火災海上、日新火災海上の大手9社を中心に競争が激化している。損保の中心業務となっている車両保険については近年頭打ちとなり、横這いで推移している。
自動車事故が低下したことや、自動車の買い控えにより、割引対象が広がったことや、大口顧客である法人の値引き、外資系損保のDM攻勢等により、今後も自動車保険分野での大きな成長は難しいと思われる。一方、株価の持ち直しにより、有価証券売却益が増加していることや、海上保険分野がイラク戦争などにより増加している。
証券業界
2003年5月以降、個人投資家などの積極的な参加による株価上昇で、証券各社の業績は前期までの赤字決算から急回復している。一方、大手企業への一極集中、インターネット専業証券会社の台頭といったように、中小証券の置かれている環境は厳しく、今後さらに大手による中小証券の買収など再編が加速していくと見られる。また、改正証券取引法の施行以後、銀行が証券仲介業務に参入することで顧客の争奪戦が始まることは確実であり、証券各社にとって脅威となる。
貸金業界
貸金業界は財務局長または都道府県知事の登録を受ける必要があり、無登録業者、いわゆるヤミ金融に対しては、罰則の強化と、高金利契約の無効、違法な取立行為に対する罰則の強化、といった具合に貸金業規正法の改正で取締が強化された。これによって上限金利が引き下げられたことで、業者間での区別がつき難くなり、また銀行など他業態の参入もあって、いわゆる商工ローンの市場が縮小し、各社の競争は激化している。
リース・レンタル
リース業界
オリックスが業界のトップをキープし次に三井住友銀リース、ダイヤモンドリースの順でトップ3を形成している。以下住商リース、興銀リース、芙蓉総合リース、東京リース、センチュリー・リーシング・システム、日本電子計算機、昭和リースが大手と呼ばれれている。その他は営業収益2000億〜3000億円台の企業が多数存在しており、顧客の奪い合いは激しいものとなっている。2001年度以降、リース取扱高は3年連続でマイナスとなっており、こうした市場の縮小もこの争奪戦に拍車をかけている。しかし、倒産リスクの格付によるリース料を設定するリスクプレミアムの導入や、資金の直接調達比率を上昇させるなど、各社とも採算性を重視した営業活動を展開しており、増益決算が続く見通しである。
レンタル業界
レンタル業界は主に建機レンタル、レンタカー、レンタルビデオの3つの分野が市場の大部分を占めている。その他にコンピューターサーバー、製造機械、事務用機械などのレンタルも大きな需要がある。建機レンタルでは地方の建設市場の縮小に加えて予想以上に単価が下落、またレンタカーでは法人需要の減少と需要の小型車・軽乗用車へのシフトで単価の下落、といったように厳しい状況が続いているだ。しかし、企業の設備投資意欲の改善、また、潜在需要の存在などから、需要は底打ちとの見方も出てきている。
商社
総合商社業界
総合商社業界はバブル経済の崩壊以降、ユーザーのコスト意識の高まりIT環境の整備など経営環境が大きく変化しており、コアビジネスへの集中と不採算事業の見直し、採算性の見込める新事業への参入が積極的に進められており、各社とも再編による合理化効果を早期達成することが課題となっている。近年、輸出入の両面でこれまで最大の貿易相手国となってきたアメリカとの取引量が減少の傾向にあるが、中国を中心としてアジア地域との取引量が増加、輸入の面で中国はアメリカに代わり最大の相手国となり、輸出の面でも中国市場は存在感を強めており、今後商取引に及ぼす中国の影響はさらに大きなものとなっていくと予想される。
建築・不動産
建設業界
政府の債務拡大と国内経済の回復傾向を背景とした公共事業費縮小に加え、相変わらず民間需要は滞っている。バブル崩壊以降も増加し続けていた建設業者許可業者数は、急速な市場縮小により2000年度から減少に転じており、各社再編に向けて動き始めている。建設業界では企業合併は受注機会の損失を伴うとされ、避けられてきたが、市場縮小により機会の維持よりも、合併による経営効率化で生き残りを図るなど、業界の意識に変化が生じてきている。
住宅業界
大手上位企業、中堅企業、新興企業の3層に分かれており、勝ち組と負け組が鮮明に色分けされている。近年、供給過剰のなか、消費者の選別も厳しくなっており、超高層・高級マンションや、デザイナーズハウス、オーダーメイドハウスなど、消費者主導によるオリジナル化・差別化をいかに明確にしていけるかが勝敗の鍵となっている。各社ともリストラは一段落し、黒字転換が見込まれているが、マンション販売を引っ張ってきた超高層・高級マンションも依然人気は高いものの頭打ち傾向にあるなど、相変わらず経営環境は厳しく、さらなる淘汰が進んでいくと見られている。
不動産業界
バブル崩壊後、地価の下落による低迷から未だ本格回復していない状況。しかし、大都市圏ではREIT(不動産投資信託)の導入企業の増加で、有料物件取得の動きが活発化している。「近・新・大」のオフィス物件に対する需要も高まる見込みだが、オフィスビル供給量がこれまでの2倍になる2003年問題で需給バランスが悪化し、空室率が上昇、賃貸事業は更に競争激化が進むと見られる。
建材・窯業
木材・製材品
木材業界の経営環境は住宅着工数の動きに左右されるが、その新設住宅着工戸数は2000年度からの3期連続減少となっており、それにより需要の減少が続いている。また、住宅をめぐるトラブル排除を目的に2000年4月に施行された品確法で、より高品質なものが求められるようになった。ここに、改正建築法が2003年7月に施行され、新JAS基準が適用され、国産品への特需が発生し合板各社は2003年度決算で増収となった。こうした高品質への取組みでは、資本力の差で大手と中小で2極化が進行している。
食品
食肉加工業界
セーフガード発動での輸入原料価格上昇、国内九頭目のBSE感染牛確認、アメリカにおけるBSE判定基準など環境は厳しいが、BSEに対する消費者の不安感は落ち着き、食肉の消費量・小売価格ともに回復傾向にある。しかし相変わらず、豚肉・牛肉に対するセーフガードによる輸入原料価格の上昇による生産価格の上昇を小売価格に反映するのは困難であり、メーカーへの負担は大きなものとなっている。
加工食品業界
味噌・醤油といった調味料は、食の洋風化の影響などで市場はやや縮小傾向である。ドレッシングはノンオイルタイプが伸びており全体として好調、麺類は即席めんの需要が安定して推移。近年、中国で生産を行うことによるコスト削減で成長を続けてきた冷凍食品は、残留農薬などが検出されたことなどの影響で需要は減少傾向にあり、現地企業に調達から管理まで全てを委ねるシステムからの抜本的な方針転換を迫られている。
紙・パルプ
紙・パルプ業界
内需依存型産業であるために需給バランスに敏感で、市況に合わせて業界全体で随時増・減産を繰り返している。2000年以降の内需低迷で、大手同士による合併など業界再編が急速に進み、現在では王子製紙と日本ユニパックグループの2強体制となっており、今後はコスト削減や設備の統廃合を進め、中国・東南アジアなどの海外市場に挑むことで内需依存体質の解消を狙う。
印刷・出版
印刷業界
印刷業の国内出荷額は7兆3808億円で前年比4.4%減(2002年工業統計速報、従業員4名以上)となっており、98年以降市場規模はじり貧傾向にある。しかし、印刷工程の様々な場面でデジタル化が進んでおり、納期の短縮や高品質化に効果が見られ、原材料費削減にもつながっており、導入企業の収益環境は好転している。しかし印刷工程を請け負う製版関連企業の中には受注減少により業績悪化に苦しんでいる企業もある。また、中小企業の中には競争激化によって適正な価格水準を維持できなくなってきているところもあり、業界再編の動きが出ている。
医療
医療・福祉関連サービス業界
2000年4月の介護保険制度導入により、介護サービス業は急激に拡大した。臨床検査サービスは2002年4月の診療報酬の改定による検査料引き下げで低迷しており、臨床検査各社の医薬品開発サポート事業や介護事業など医療関係の高収益部門への参入が相次いだ。医療事務受託サービスはアウトソーシング化の加速で好調であるが、他業界からの参入や、入札方式導入などによる医療機関のコスト引き下げ圧力も強まっており、今後それに耐えうる大企業の寡占が進む可能性が高い。2003年4月の介護報酬改定は施設介護から在宅介護へのシフトを狙ったものであり、それに合わせて介護サービス業界では在宅介護ステーションの増強など、顧客囲い込みを目指した競争が激化している。
機械
工作機械業界
工作機械の中でも、NC旋盤とマシニングセンター(MC)、そしてロボットの分野では各社とも世界的な競争力を保持している。NC旋盤・MCともに最大手はヤマザキマザックで、ロボットではファナック、松下電器産業が強い。このほか、フライス盤では牧野フライス製作所、放電加工ではソディックがトップシェア。
精密機械業界
ITバブル崩壊後、業界全体としては業績の低迷に苦しんでいる中、デジタルカメラの伸びが著しい。一方業界の枠を超えた新製品の開発が進んでおり、カメラ付き携帯電話が爆発的な売れ行きを示しているのを始め、カメラ付きPDA、腕時計型携帯電話なども製品化されている。
自動車
自動車部品・タイヤ業界
自動車部品業界は、自動車メーカーの下請け(直径・系列)企業を中心に隆盛し世界をリードする技術を持つ企業も多い。だが、近年は、自動車メーカーのコスト削減と高品質な製品の調達を目指す動きから、技術を持つ企業は系列を超えた取引を拡大し成長、一方、持たざる企業は淘汰されつつある。
電機器
半導体・半導体製造装置業界
半導体は、電機、機械の殆どすべてに搭載され、日本の代表的な産業の1つになっている。90年代後半から2000年にかけて世界的なIT景気の拡大で市場は急拡大したが、そのあとITバブル崩壊で、深刻な不況に陥った。現在、デジタル家電向けの需要の拡大などで市況は回復したが競争も激しく、再編が急速に進んだ。
運輸
トラック運送業界
トラック運送業は、高度経済成長において輸送需要の増大、道路網等のインフラ整備に伴い国内貨物輸送のなかでも大きく成長してきた業種である。国内貨物輸送量における輸送機関別比率をみると、平成14年度実績ではトラック輸送の比率が9割と大半を占めている。金額ベースで国内物流市場における営業収入は、約3分の2の市場占有率である。このように国内貨物輸送において中核的地位を占めているトラック運送業であるが、国内輸送量は年々減少し、運賃・料金の事前届出制の廃止と営業区域規制の撤廃により、大手事業者の営業区域拡大や競争激化に伴う運賃水準の低下が予想される。さらに、多くの事業者にとって貨物の過積載に対する罰則強化や排ガス対策等にかかるコストを運賃へ転嫁することがむずかしい状況にあり、排ガス規制強化による収益悪化や淘汰・廃業が進むとみられる。また、中小トラック運送業者は小零細規模層が多く、顧客荷主との取引上の力関係も弱いことから、その事業基盤は概して脆弱といえる。
こうした厳しい環境の変化はとてもリスクを伴うが、反面、大きなビジネスチャンスを生む可能性はあると考えられる。今後、経営者は既存事業に対する意識改革や共同化・情報化などの経営の効率化、さらには、運搬業務のみならず在庫管理を含めた物流業務全般の一括受託、物流効率向上のためのコンサルティング業務など総合物流業務への進出など、積極的な挑戦が必要である。
物流・倉庫業界
国内貨物の年間送油総量は、91年度の約70億トンをピークに景気低迷から漸減傾向にあり、近年は62億〜64億規模である。総輸送量の90%を担うトラック業界は、規制緩和により事業者の新規参入が相次ぎ、競争激化で事業環境は厳しい。経済のグローバル化に対応する一環物流の構築が課題となっている。
サービス
ホテル業界
最近では六本木や品川、汐留など東京の再開発地域での新規ホテルのオープンが相次ぎ、ホテル軒数の伸び率に更なる弾みがつくと予想される。これに対し既存のシティホテルは大規模な改装を進めている。しかし、こうしたシティホテルの収入について見ると、宿泊単価の下落・宴会需要の低迷しており、『2007年問題』と呼ばれる供給飽和が危惧されている。これに備えて、鉄道系・航空系ホテル以外でもチェーン化を進めてオペレーションの効率化を図っている。低迷が続いていた観光地のホテルも全体的には改善傾向にある。しかし、個人旅行の需要の高まりから、鬼怒川・熱海など団体旅行向けの観光地では衰退に歯止めがかかっておらず、個人向け宿泊施設の整備などの対応を迫られている。
温泉旅館業界
温泉不正表示問題長野県の白骨温泉で着色に入浴剤が使われたことが表面化したことに端を発した全国の温泉で“偽装”が相次いでいる問題は、今後の温泉旅館動向を見極める上で、極めて重要な要素となると思われる。特に、虚偽表示問題が全国的に報道された白骨温泉をはじめとする地域では、観光客の減少はまぬがれないと思われる。環境省も温泉や法律、医療、観光の専門家を集めた委員会を設け、温泉法の改正に向けた検討を始める。源泉だけでなく各浴槽の湯の成分を分析して、結果の掲示を義務付けるとともに、定期的な再分析を温泉施設側に求める方針であり、今後の動向は注目を要する。
顧客動向観光を取り巻く変化を見ると、宿泊日数が減少、消費金額も減少トレンド。一方、SARSや米国のテロ等により、海外旅行ブームが沈静化する中、カラカミ観光(株)やリゾートトラスト(株)などの新興勢力が値段や設備の充実で台頭してきている。しかしながら、熱海や有馬等、大都市圏の老舗温泉街の温泉旅館(ホテル)では、低価格競争に勝てず、廃業する企業も少なくない。
- 2003年のホテル・旅行経営業者の倒産は100件で、4年連続で100の大台に(帝国データバンク調べ)
- 伊香保温泉(群馬県)の有力旅館、伊香保グランドホテルが4月末閉館へ
- 道後温泉(愛媛県)の旅館共同組合が源泉の塩素消毒中止を求める要望書を松山市に2月、提出
- 北海道が温泉地を「奥座敷型」などに3分類し、それぞれ1つの温泉地の集客を支援する温泉観光地活性化モデル事業を今年から実施
- 政府の地域再生本部と産業再生機構が連携。まず、足利銀行の一時国有化で資金繰りに不安がでている鬼怒川温泉(栃木県)を対象に、個々の旅館の再建支援と温泉街活性化を一体的に推進している
- 鳴子温泉(宮城県鳴子町)観光協会が温泉療養プランを策定。旅館と町立病院が連携し、宿泊客対象に温泉療養やリハビリテーション
- いわき湯元温泉(福島県いわき市)
約100人の温泉保養土を養成。効果的な温泉の利用法を宿泊客にアドバイス - 伊香保温泉(群馬県伊香保町)
旅館の女将がそれぞれの旅館の秘蔵美術品など自慢の品を披露する「一館一品」運動を展開 - 熱海温泉(静岡県熱海市)
3月中旬から5月まで「熱海花の博覧会」を開催。温泉街が花で飾られ、観光客が散策できる庭園都市を目指す - 下呂温泉(岐阜県下呂市)
同温泉旅館共同組合が一人旅向け共同プラン等旅館単位の努力ではなく、地域による活性化策を打ち出し、地域観光客増を目指している
旅行業界
昨年のSARSや、中東の断続的なテロ事件の発生などにより、アジア方面への海外旅行需要の激減により、海外旅行取扱業者の急速な経営悪化が起きた。中でも、個人向けから団体まで幅広く手がける近畿日本ツーリストにおいては、海外旅行取扱高が2003年上半期では前年同月比で半減し、今年度に入って高収益であった「クラブツーリズム」を売却し、事業構造の転換が図られている。国内旅行需要は、海外旅行からの振替が要因となり増加したが、今後は海外旅行需要の回復による反動減が懸念されている。新規事業としては、政府の訪日外国人旅行者数を倍増するという計画を受けて、JTBや日本旅行を始めとして旅行各社は訪日外国人用ツアーを将来性のある事業と位置づけて、積極的に取り組んでいる。
広告業界
電通と博報堂の二強体制に変化はないが、業界全体としては業界再編の動きが活発化している。広告業売上高に関しては、不況の長期化による低迷から回復の兆しが見え始めており、業界3位のアサツーDKは回復傾向が顕著になっている。しかし、依然として完全回復には至っておらず、電通は2004年度まで3期連続で減収となっている。しかし、近年の新たな広告メディアの登場や規制緩和により、ビジネスチャンスは広がっている、といえる。
情報サービス業界
情報サービス業の中核であるソフト開発は、大口需要先である金融・通信向けの需要が減少している。一方で、システムインテグレーション(システムの構築においてユーザーの要求内容を把握し、それに基づいたプログラム作成から、システムの保守までを全て一貫して請負うサービス)などシステム等管理運営受託業務の需要が、製造業・金融業で高まり、売上高は増加してきている。また、中堅・中小企業におけるソフトウェア投資意欲が回復を見せており、本格的に景気の回復が始まれば、大きな市場となることが期待される。
エステティック・美容業界
美容業界の特徴として、大手業者だけでなく零細企業の参入も多いことが挙げられ競争が激しい。これに加えて家計支出の減少により、高級ヘアサロンでも割引を行うなど、低価格競争が起きている。こうした中で、大手の田谷などはヘアケア商品・技術の開発に注力するなどにより、新規顧客の開拓とリピーターの獲得を目指している。エステティック業界では、養成スクールの増加が影響してエステティシャンは増加しており、こちらも競争が激しくなっている。この業界は、以前から顧客からのクレームが多数報告されており、業界全体としての信頼獲得に向けて顧客アンケートの実施・社員教育の徹底などが開始されている。
外食業界
2000年の日本マクドナルドのハンバーガー半額値下げ以降、低価格化が進む。2001年9月に発生した国内初のBSE問題の影響による売上低迷からはようやく回復したが、2003年12月に米国でBSEが発生、安価な米牛肉に依存する外食産業業界にとっては、牛肉輸入停止の影響が2001年よりも大きい。
人材派遣・職業紹介業界
派遣労働者の利用は、コスト削減の有力な手段として70年代から広まった。86年に労働者派遣法が施行され、その後2度の法改正で規制が緩和され、現在では一部の例外を除き対象職種は自由化されている。その間、派遣社員として働く労働者は増え続け、2001年度には、92年度の2.7倍の約175万人に達した 。
教育サービス業界
学習塾は「ゆとり教育」に危機感をもった親を取り込み、大都市を中心に勢力を拡大している。語学スクールの市場規模は約1826億円(2002年度、経済産業省)で、そのうち大手5グループで全体の約75%を占める。学習塾と同様に、市場規模は拡大傾向にある。個人経営を含む参入企業数は約1200で、従業員は10名以下の零細企業者が7割を占めるが、出店を重ねる大手の寡占化が進んでいる。









