

▲ 株式会社柿安本店
代表取締役社長 赤塚保正氏
株式会社柿安本店の歴史は、明治4年に三重県桑名で牛鍋屋から始まりました。以来、「美味しいものをお値打ちに提供すること」を経営理念として、現在は松阪牛を始めとするブランド肉の牧場や、精肉販売の店舗、レストラン、惣菜店を全国に展開し、豊かな食文化を提供しています。伝統と革新の融合を図りつつ成長してきた同社に、事業の沿革やこだわり、銀行に 期待することなどについてリッキービジネスソリューション澁谷耕一がお話を伺いました。
沿革・概要について
(澁谷)
貴社の沿革と事業内容についてお聞かせ下さい。
(赤塚社長)
当社は初代の赤塚安次郎が明治4年に創業し、今年で137年目を迎えます。私は2006年の12月に6代目社長に就任いたしました。
もともと赤塚家は三重県の津の出身で果物園を経営していました。その果物を現在の桑名まで行商に来ていたのですが、特に果物の中でも「柿」が大変おいしくてお値打ちだということから、「柿屋の安さん」というあだ名が付きまして、そこから柿安という名前が生まれました。ですから弊社の社章は柿を上から見たデザインになっています。
中核事業は、精肉・惣菜・レストラン・食品の4つであり、現在は全体の売上の35%が精肉、35%が惣菜、15%がレストラン、あと15%が食品という構成になっています。
もともと桑名では、弊社の事業はレストランから始まりました。夏はうなぎ、冬はすき焼きを提供するいわゆる料亭です。その隣で、お肉の小売も行っていました。ですから事業の展開の順番は最初がレストラン事業、そして精肉事業という順番になります。
中核事業は、精肉・惣菜・レストラン・食品の4つであり、現在は全体の売上の35%が精肉、35%が惣菜、15%がレストラン、あと15%が食品という構成になっています。
もともと桑名では、弊社の事業はレストランから始まりました。夏はうなぎ、冬はすき焼きを提供するいわゆる料亭です。その隣で、お肉の小売も行っていました。ですから事業の展開の順番は最初がレストラン事業、そして精肉事業という順番になります。
その後、今から36年前に百貨店で「牛肉しぐれ煮」の販売を行う食品事業を始めました。この「牛肉しぐれ煮」のきっかけは私の祖父にあたる3代目社長が若くして急死し、経営を祖母が継いだことにあります。祖母は女手1つで経営を行いながら、7人の子供を育てました。子供達の弁当を作るだけでも大変な作業です。ですが、牛肉だけはありましたから、牛肉を砂糖しょうゆでいためて、弁当のおかずにしていたらしいです。そこから生まれたのが「牛肉のしぐれ煮」です。最初は子供の弁当だったものが、牛肉商品として今では年間50億円の売上げになっていますから、祖母はすごい人だと改めて思いますね(笑)。
さて、弊社は平成9年6月18日にジャスダックに上場しました。10年前になりますが、当時はバブルが崩壊し、景気の停滞から客単価の高いレストラン、贈答品などの高級業態は、法人を中心として需要は冷え込みました。そこで、以前から少しづつ取組んでいた惣菜・中食事業に、7年前から本格参入しました。5代目社長(現会長)が始めたこの事業は7年間で大きく成長し、今では年商の35%を占める大きな柱に成長しています。
新規事業
(澁谷)
新規事業についてお聞かせ下さい。
(赤塚社長)
最近、柿安グルメフーズという子会社を設立し、和菓子の事業に参入しました。現在はおはぎやわらびもちを販売し、2年間で約50店舗にまで拡大しました。将来的にはお菓子全般の製造も行いたいと思いますが、今のところは和菓子だけと考えています。参入の理由ですが、弊社は元々料亭旅館、レストランですから、お客様宛に最初にお茶と和菓子を出しています。この菓子が評判となり、販売してほしいと言われるお客様が増えられて、本格的に参入を始めたのです。今後弊社の第5の中核事業にしていくために、三重県の桑名に総工費15億円の菓子工場を造る計画です。
強み・PRポイント・こだわり
(澁谷)
貴社のこだわり、強みについてお聞かせ下さい。
(赤塚社長)
初代の赤塚安次郎から現在に至るまで、当社の経営理念は、「おいしいものをお値打ちに提供する」ということです。その中で特に大切なのは、味へのこだわりです。
味へのこだわりは2つあって、1つは素材選び。素材選びというのはよい素材を選ぶということです。よい素材というのは、決して高いからよい素材とは言いません。旬の素材ということです。旬の素材は、まずおいしい、それから栄養価が高い、そして、値段がリーズナブルであるということです。だから旬の素材を使うと健康にもなれるし、商売上でもいいのです。
味へのこだわりは2つあって、1つは素材選び。素材選びというのはよい素材を選ぶということです。よい素材というのは、決して高いからよい素材とは言いません。旬の素材ということです。旬の素材は、まずおいしい、それから栄養価が高い、そして、値段がリーズナブルであるということです。だから旬の素材を使うと健康にもなれるし、商売上でもいいのです。
もう1つは匠の技、職人の技。匠の技イコール高い技術ということです。よい素材に高い技術が備われば、もっとおいしくなるじゃないですか。自然の物が一番おいしいけれども、商品によっては加工をすることによって、おいしさが増す場合がありますから。
当社の強みは、製販一貫体制をもっているということです。当社は基本的に、生産から販売という考え方を持っています。生産については、三重県松阪に松阪牛専用の牧場がありますし、それから三重県産の黒毛和牛ということで、マイブランドの柿安牛といっているんですけれども、県内に三つの牧場を持っています。まず生産の部分、そして三重県には牛の解体の工場もあります。
それから販売については、全国に三十数店舗の精肉販売の店舗をはじめ、レストラン、惣菜、牛肉しぐれ煮、和菓子など子会社を含めて約250店舗を持っています。このように生産と販売まで一貫して手がけていることが他社にない強みだと思っております。
それから販売については、全国に三十数店舗の精肉販売の店舗をはじめ、レストラン、惣菜、牛肉しぐれ煮、和菓子など子会社を含めて約250店舗を持っています。このように生産と販売まで一貫して手がけていることが他社にない強みだと思っております。

社長が大切にしている言葉
(澁谷)
社長がいつも社員の方に言われていることはなんですか。
(赤塚社長)
私達は「伝統と革新」という言葉を大切にしておりまして、いわゆる昔ながらの老舗としてののれんも大事ですが、のれんだけでは今はやっていけない。うちはのれんがあるんだよと言ったって、お客様が来てくれない時代です。お客様が常に求めているのは新鮮さ、目新しさです。
私が社長になってから、常に社員に言っているのは、「進化し続けよう」ということです。昨日成功したから今日、今日成功したから明日、明日成功するだろうと思ってもあさっては絶対成功しないから、絶えず新しいことに着眼点を置いて、進化し続けなくてはいけないと考えています。
百五銀行との取引
(澁谷)
銀行取引、そして百五銀行さんとのお取引の歴史を社長はどのように評価されていますか。
(赤塚社長)
私は次のようなことを父(会長)から教えられました。父から「会社の預金残高はいくらか知っているか」、そして、「もうひとつ、自分の預金はどれだけあるんだ」と聞かれて、「会社の預金残高はわからないけれど、私個人の預金は1円単位までわかります」と答えました。「何で自分の預金だけは1円まで覚えていて、会社の預金残高が分かっていないんだ」と父に聞かれた時に、どきっとしましたね。これでは経営者になれないと思いました。
また、父はこういうふうにも言いました。「私達がやっている時はお金がなかった。ひとつ物を作るのでも、失敗したら明日はどうなるのか。食べ物屋だから飯だけは何とか食えるな、だけど洋服は買えない。靴が破れていても買えないと心配事ばかりだった。だから今の人はお金の心配をする必要もなく恵まれている」と。
当社の本社はこの三重県の桑名に置いておりますので、三重県の銀行としてナンバーワンの百五銀行さんとは、法人設立以前から40年以上のお取引をさせていただいており、その間メインバンクとしてご指導・ご支援をいただいております。
また、父はこういうふうにも言いました。「私達がやっている時はお金がなかった。ひとつ物を作るのでも、失敗したら明日はどうなるのか。食べ物屋だから飯だけは何とか食えるな、だけど洋服は買えない。靴が破れていても買えないと心配事ばかりだった。だから今の人はお金の心配をする必要もなく恵まれている」と。
当社の本社はこの三重県の桑名に置いておりますので、三重県の銀行としてナンバーワンの百五銀行さんとは、法人設立以前から40年以上のお取引をさせていただいており、その間メインバンクとしてご指導・ご支援をいただいております。
(澁谷)
長いですね。

▲ 見事な霜降り模様が美しい
柿安の松坂牛
(赤塚社長)
非常に長い間お世話になっています。当社も過去のお金を借りる苦労というのが身に染みて分かっておりますので、実質的には無借金経営ということを念頭に置いてやってきているわけです。ただ、食を扱う企業ですので、突然何が起こるか分からない状況ということもあります。
平成13年の9月にBSEが発生し、先行きが非常に不透明な状況においても、百五銀行さんから大変なご支援をいただき、無事乗りきることができました。相互の信頼関係を長年築き上げてきたことで、当社を信用いただき、ご支援いただいた百五銀行さんに非常に感謝しています。現在は他府県への積極的な展開を始められておりますけれども、一方で地元に密着されていろいろな面で、こちらがちょっとしたことでもお願いすると、快く相談にのっていただけるので、非常に身近に感じています。海外に出店した際も、現地で大変お世話になっています。
私達も日頃から、百五銀行さんにご迷惑を掛けないように、また三重県を代表する銀行とお付き合いをいただいているのだから、当社も三重県を代表する会社になるという目標を実は持っております。相互の信頼を決して崩さないようにと、会長からも言われております。
私達も日頃から、百五銀行さんにご迷惑を掛けないように、また三重県を代表する銀行とお付き合いをいただいているのだから、当社も三重県を代表する会社になるという目標を実は持っております。相互の信頼を決して崩さないようにと、会長からも言われております。
今後、銀行に期待すること
(澁谷)
将来に向けて、百五銀行に期待することはなんですか。
(赤塚社長)
私も今年45歳になりますけれども、まだ社長になって15カ月ですから、これからいろいろな世の中の変化に順応して自分を磨き、イコール会社も磨いていくつもりです。忌憚なく、メインバンクだからということではなくて、まだ
経験の浅い経営者にということで、ご指導いただければと思います。
百五銀行さんの規模と内容から見ると、当社はまだまだ勉強していかなくてはいけないところが多々あります。そういう点ではぜひ百五銀行さんを目標に頑張っていきたいと思っています。
百五銀行さんの規模と内容から見ると、当社はまだまだ勉強していかなくてはいけないところが多々あります。そういう点ではぜひ百五銀行さんを目標に頑張っていきたいと思っています。
株主総会も毎年行かせていただいているのですが、株主総会の議長である頭取の采配とか、運営のされ方を拝見させていただきますと、やっぱりさすがという感じがします、当然ですけれども、いつも勉強させていただいているんです。
(澁谷)
今日はありがとうございました。
-会社情報-
| 社 名: | 株式会社柿安本店 |
|---|---|
| 本 社: | 三重県桑名市吉之丸8番地 |
| 設 立: | 昭和43年11月19日 |
| 資本金: | 12億6,120万円 (2008年4月現在) |
| 売上高: | 349億2,294万円 (2008年4月現在) |
| 従業員数: | 2,534人 (2008年4月現在) |
| 市 場: | ジャスダック |
| URL: | http://www.kakiyasuhonten.co.jp/ |
(2008/02/12 取材)|(2008/04/30 掲載)



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